AKAI MPD24のLogicPro連携設定が完了して、よく使うようになってきたのですが、新たな問題に直面しました。
パッド感度の問題
パッドをかなり力を込めて叩かないと、ベロシティが最大まで上がりません。昼間にテンション上げ上げで叩いている時はまだ良いのですが、夜中になるとかなりな騒音になります。
そこまでテンションも上がりませんし、なにより指とMPD24本体にかなりなダメージが有ります。
これは検索してみるとわかるのですが、発売当初から既知の問題のようで、解決方法が出てきます。
やる気があって安上がりに済ましたいなら、「自分でばらして改造する」です。
Youtubeなどで何人もの人が(ほぼ外国の)詳しいやり方をアップしています。
”mpd24 pad sensitivity”で検索すると、そのものズバリMPD24はありませんが、MPCやMPDでの作業風景がいくつも出てきますので、参考になると思います。
mpd24 pad sensitivity - YouTube
感度調整用の専用改良パーツも販売されています。
Akai MPD 24 Spare Parts and Custom Accessories
海外のみの販売のようですので、海外サイトから通販するしかないようですが、たまに国内にも代理店のように輸入代行している業者もいるようです。
今回は自分でばらして改造にチャレンジします。
使用する材料
パッドとセンサーの間に入れる材料ですが、これもちょっと悩みました。
絶縁できるもので、適度な弾力があり、高温に耐えられ長期間経過しても劣化して硬化したり、割れや粉々に崩れたりしないものという条件をみたすものとなると、工業用のゴム製品が一番妥当かなと思いました。
高価なものは入手が難しいですし、そんなにコストを掛けては、DIYでやる意味もありませんので、ホームセンターで入手できるものとして、こんなものを使ってみました。
資材を扱っているホームセンターであれば、おそらく何処でも入手可能だと思います。
厚さ1oのゴムシートです。
厚さも悩みどころですが、いきなり厚いものを使うとセンサーが反応しっぱなしになる可能性もあるので、薄手のもので調整できるようにしました。
今回このゴムシート用意しましたが、その後最適な材質で、しかも無料でも手に入る物に気づきました。
それは、壊れた透明のビニール傘です。
弾力性も申し分なく、薄さも最適、劣化して硬化することもなく、絶縁もできる。完璧ですね。
AKAI MPD24感度改善手順
1.ノブとツマミを外す。
スライドレバーのツマミとダイヤルのノブを全て外します。
2.カバーを外す
表側ダイヤルノブの”K3"〜”K6"の4箇所が、ナットで固定されていますので外します。
ナットの大きさは、10oです。
ワッシャも忘れずに外して保管します。
ここまではカバーには直接関係ありませんが、内部基盤を外す時に必要な作業です。先に外しておいたほうが作業がスムーズに進みます。
15本のネジを外すと、裏面カバーが外れます。
各種端子がある部分がカバーの窪みに挟まれているようですので、外す時は注意してください。
裏面カバーに各種端子用の基盤があり、ケーブルが接続されています。
3.基盤を外す
基盤を外していきます。
まずは裏面カバー固定用の金具を外します。
中央の金具は、基板上に乗っているだけです。固定されていません。すぐに外れます。
裏面カバー取り付け時に位置決めが大変ですので、目印などを決めて置いてある位置をよく覚えておいたほうが良いです。
金具が外れたら、基盤を外していきます。
計16箇所のネジを外します。
全てのネジを外したら、いよいよ基盤を外します。
表側カバーからスライダーやノブを引き抜きながらの作業になるので、慎重に行います。
特に各種スイッチ部分は破損しやすそうなので、注意が必要です。スイッチ本体はカバー側に残すように基盤を外します。
長期間開けたことがない個体は、基板側に張り付いている部分もありますので、慎重に剥がしならが作業します。
4.パッドを加工する
パッド自体は乗せてあるだけです。
対角位置に突起がありパッドの穴を合わせて位置をあわせてます。
全てのボタンにシートを合わせました。
約3p角程度でしたが、現物で微調整は行ったほうが良いと思います。
使用したゴムシートの量は、およそ半分程度でした。
感度チェックの結果次第で、更に使うかもしれないので予備としてとっておきます。
元の位置に戻していきます。
組み立て時にズレが心配なら、薄い両面テープで固定してしまうのが良いかもしれません。
仮組みとは言え、感度テストのためにはセンサー部分が元の位置にきちんと固定されていないとテストになりませんので、基盤の固定まではきっちりと行います。
裏面カバーをネジ2本で仮止めして、いつもの設置場所でテストします。
パッドの感度テストだけでなく、各スライダーやダイヤルも故障させてないかチェックしておきます。
以前は指が痛くなるほど叩かないとベロシティが最大まで上がりませんでしたが、軽く押すと上がるようになりました。
押す強さに応じて敏感に反応するようになったので、ハイハットなどの金物に強弱付けるような操作も楽々です。
6.本組して完了
テスト結果も良好に終わって、本組です。
組み立ての一番のネックは、予想通り裏面カバーの固定金具でした。
後から気付きましたが、先に裏面カバーに金具を固定してしまえば良かったです。
感度にムラがある
今までに比べると格段に感度が良くなり、ストレスなく使えるようになりなしたが、古さゆえの問題と思われる感度ムラがみられました。
感度が良くなったからこそ判るようになったことですが、おそらく使用頻度による経年劣化だと思われます。
よく使用されるパッドが、見た目には分かりませんが潰れてしまい、弾力があまり無くなっているのだと思います。
その結果、同じ力で叩いた時の感度ムラとなって違和感を感じるのでしょう。
感度の鈍いところに、さらにシートを入れて微調整もできると思いますが、僅かな差なので相当薄いシートが必要な上、何度もテストをしないといけないので、完璧に合わせるのは難しいです。
最も簡単な方法は、新品のパッドを購入することですが、コスパを考えると今の状態でも十分です。慣れてしまえばそれほど重大な不具合ではないですね。
まとめ
分解自体も思ったほど難しくもなく、感度は劇的に上がりました。
材料費は200円もかかってないので、コスパは最高です。
最新の機器も良いですが、使い方があまり変わらないのなら古くてもまだまだ使えます。
最近機器の良い所は、最新機能に加え、いろいろな付属アプリが豊富についてくるところでしょうか。
使いたいアプリがあって、コスパに見合うものだったら新品もありですね。
DTM始めたばかりの初心者にとっては、使いこなせない豊富な機能よりコスパが良くて使いやすいものが一番です。
使いこなせるようになって、不満が出てきた時にグレードアップすれば良いと思います。
作業中のひとコマ。
几帳面にネジなどを並べていますが、古いのでプラスチックのネジ山が崩れやすくなっているはずです。
ネジ山が崩れて空回りしないように、なるべく元あった位置にネジを戻すように気をつけました。
iMPC for iPhone
価格: ¥360(記事公開時)
サイズ: 52.1 MB
カテゴリ: ミュージック, エンターテインメント