内臓ストレージの容量がお世辞にも多いとは言えないMacに、外付けHDDを増設するのは、もはや当たり前ですね。
でも増設しただけだとダウンロードやアプリのデータ保存先などは、元のユーザーホームフォルダに入ってしまいます。
ホームフォルダのデフォルト設定を外付けHDDへ変更してみました。
フォルダを丸ごとコピー
ホームフォルダの中には、ダウンロードしたファイルや書類、ピクチャなど一般的なファイルの他に、各ユーザーのシステム設定ファイルなども含まれています。
その殆どが不可視ファイルなので、中途半端に移動すると、最悪アプリが起動しないだけでなく、OS Xの動作にも不具合が出るかもしれません。
先ずは外付けHDDに、新たにホームフォルダとなるディレクトリを作ります。
ターミナルを立ち上げてコマンドを打ち込んでの作業となります。
$ mkdir -p /Volumes/HD-LCU3/Users/taks
mkdirコマンドでディレクトリ作成します。Windows系のDOSでも同じコマンドですね。-p オプションはパス途中に存在しないディレクトリがあった場合、同時に作成するという指定です。
/Users/ユーザー名がデフォルトフォルダですので、フォルダ名は任意に変更して下さい。
次にホームフォルダの内容をまるごとコピーします。
$ sudo ditto -v -rsrcFork /Users/taks /Volumes/HD-LCU3/Users/taks
sudoは、管理者権限で実行するコマンド。実行すると管理者のパスワードを要求されます。
dittoコマンドでフォルダを丸ごとコピーします。dittoコマンドの特徴は、-rsrcFork オプションでリソースフォークも含めたコピーが出来ることです。
リソースフォークとは、アイコンやウインドウの位置や大きさ、メニューの内容などを記憶している情報です。
リソースフォーク - Wikipedia保存されているデータ量にもよりますが、まるごとコピーには時間がかかります。気長に待ちましょう。
新しいホームフォルダを指定
データのまるごとコピーが完了したら、OS Xの環境設定からホームディレクトリの設定を変更します。
- 左下の鍵マークをクリックしてパスワードを入力。管理者権限のロックを解除します。
- Controlを押しながらクリックで「詳細オプション」が表示されます。
「ホームディレクトリ:」欄で、新たに作成したホームディレクトリのパスを指定します。
パスの変更が完了したら、Macを再起動して変更を反映させます。
シンボリックリンクの作成
再起動が完了したら、ホームディレクトリが変更されていることを確認しましょう。
変更が反映されていると、外付けHDDのフォルダアイコンがホームのアイコンに変化しています。
無事変更が確認できたら、シンボリックリンクを作成します。
アプリによっては [/Users/ユーザー名] のパス指定で設定ファイルなどをインストールしますので、 [/Volumes/外付けHDD/Users/ユーザー名] へインストールされるようにリンクさせます。
$ sudo mv /Users/taks /Users/taks_bkup $ sudo ln -s /Volumes/HD-LCU3/Users/taks /Users/taks
mv コマンドで元のホームフォルダ名を変更します。ln コマンドで[/Users/ユーザー名] の位置に [/Volumes/外付けHDD/Users/ユーザー名] へのリンクを作成します。
以上で変更完了です。
まとめ
実際に変更作業をする前に、TimeMachineなど十分にバックアップを行っておくと、いつでも元の状態に戻せるので安心です。
アプリで作成者ファイルの保存先は、デフォルトだと元のホームフォルダになっています。前回の保存位置を記憶してくれるものはまだ良いのですが、そうでないものは毎回変更しないといけないので面倒でした。
この設定をしてからはそんな煩わしさからも開放されて快適です。
Finder起動時のデフォルトフォルダも、ホームフォルダにしておくだけで外付けHDDに保存できますので、SDカードのデータを移す時も楽ですね。
ただ、アプリケーションフォルダがだけは、移動されていませんでした。
本来、ホームフォルダ内にあるはずなので、いっしょにコピーできていると思っていましたが、アプリケーションフォルダだけコピーされず、元の内蔵HDDに単独フォルダとして残っていました。
仕様でしょうか?